父親の癌治療のために借金320万円。借金地獄から救ってくれた任意整理

とき子さん(44歳 会社員 女性 東京都)からいただいた債務整理体験談です。

父親の癌治療のために貯金を切り崩しながら生活をしていたとき子さん。

闘病生活が長引いたためにお金が無くなってしまい、消費者金融から借金をするようになります。

看病のために働くことも出来ず、最終的に借金は320万円にまで膨れ上がってしまいました。

みんなの債務整理体験談メモ

お名前:とき子さん(仮名)
性別:女性(44歳)
職業:会社員
地域:東京都
債務整理方法:任意整理
借金の原因:父親のがん治療
債務整理時の借金総額:320万円


癌治療と長い闘病生活のため増えていった借金

私が借金を抱えるようになったきっかけは、父の病気でした。

68歳になったころ、ステージ3の胃がんが見つかったのです。

私たちはがんを治したい一心で、手術・治療とともに、民間療法も始めました。

その支払額はかなり負担の大きいものでした。

年金と貯金でやりくりする生活

母はもう8年前に亡くなっていて、父が一人暮らしのため、どうしても近所に住んでいる私が父の生活を支えなくてはなりません。

治療費に加え、がんにいい食材を取り寄せたりとかなりお金がかかり、治療の副作用でよく具合が悪くなって看病も必要になりますから、私も仕事が続けられなくなりました。

最初のうちは、1年も闘病すれば目途が立つだろうと、父の年金と貯えでなんとか切り盛りできていました。

でもがん治療はなんといっても長期戦。

すぐにお金が足りなくなっていきました。

貯金が無くなり消費者金融から借金

闘病生活が2年目に突入すると、兄妹や親戚にも協力してもらいました。

でもみんな生活がありますし、そうそう頼れるものではありません。

貯えがなくなると、治療費・生活費はクレジットカードを使い、現金が必要になったらカードローンを使うようになりました。

父ではお金を貸してもらえないので、すべて私の名義です。

気がつけば借金が300万円ほどに膨らみ、月々の返済額が15~18万円になっていました。

もちろんこんな額、無職となってしまった私には払えませんし、父の年金でも足りません。

でもとにかく借りたお金は返さなければと、さらに借りては返しを繰り返して、どんどん借金が膨らんでいき、もう身動きがとれない状態になって、支払いが滞り始めました。

すると、督促の電話ががんがん鳴るようになり、精神的にも参ってしまっていました。

父親の癌治療のために借金320万円
父親の癌治療のために借金320万円

区役所の無料法律相談に

これではもうどうしようもないと、区役所が主催している法律相談に駆け込みました。

初回は無料で相談できると、見かねた近所の人が教えてくれたのです。

そこで洗いざらい話すと、その日当番だった司法書士さんからは、もうすでに生活が破綻しているので、自己破産をすすめられました。

でも、父も私も破産なんて…となんだかみじめな気持ちになり、「できれば違う方法で」とお願いしてみたのです。

自己破産ではなく任意整理を選択

すると、「じゃあ、任意整理でやってみましょう」ということになったのです。

任意整理は、司法書士さんが債権者と利息や返済額の交渉をしてくれて、支払い可能の支払額を目指すものだそうです。

裁判所を通す自己破産よりも手続きが簡単ですが、自己破産のように借金が帳消しになる可能性はありません。

でも、ブラックリストにのる期間が短くなりますし、借金が減額できたり、将来利息をカットしたりと、月々の返済額を支払い可能な額まで下げることができるのです。

でもこれは決して借金の踏み倒しではなく、利息制限法の引き直し計算によって減額をするので、借金に苦しむ私たちが気に病む必要はありません。

無事に交渉が成立

任意整理の手続きが始まると、債務の返済が和解契約成立までストップできます。

その間に任意整理の費用を司法書士さんに2~3万円を月々支払い、和解契約書が送られてきてからは、整理された返済額として月々2万円の返済が始まりました。

このくらいのお金なら、父の年金でも払えます。

その上で役所へ相談に行き、障害年金や高額療養費制度の申請をして受理され、ひと息つくことができました。

借金の悩みは早めに相談

その後、父のがんもずいぶんよくなり、再発も認められません。

看病の必要もなくなって私も仕事復帰ができ、やっと未来が明るく感じられるようになりました。

今でも返済は続いていますが、借金もだいぶ少なくなってきたので、もう少しの辛抱です。

借金は、どうしても身内の恥という感覚があり、人に知られるのが怖くて誰にも言えずに抱え込んでしまいがちですが、少しでも早く専門家に相談することが、返済地獄から脱する近道なのだということを知りました。

やはり餅は餅屋です。

私たちも、もっと早く相談すればよかったな、と思っています。

とき子さん(44歳 会社員 女性 東京都)


とき子さんの借金内訳と債務整理後の状況

とき子さんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。

借金内訳

借金総額:60万円
クレジットカード:
三菱UFJニコス:60万円
セディナカード:40万円
消費者金融:
レイク:150万円
モビット:70万円
借金開始から債務整理着手までの期間:約3年

債務整理後の状況

残債務:180万円(返済中)
返済計画:(期間)約8年(返済)月20,000円
債務整理に踏み切った理由:
月々の返済ができなくなり、近所の人に相談窓口を教えてもらった
債務整理をした時期:2016年1月頃

癌治療の借金地獄から救ってくれた任意整理

父親の癌治療のために様々な治療方法を試していたとき子さん。

最初は父親の年金と貯金でやりくりをしていましたが、長引く闘病生活のせいで資金が足りなくなってしまいます。

その場を凌ぐために消費者金融からお金を借りるようになったとき子さんですが、借金はあっという間に膨れ上がり、300万円以上の大きな金額になってしまいます。

追い詰められたとき子さんは、区役所の無料法律相談に駆け込みます。

その場にいた司法書士方からは自己破産を進められましたが、どうしても自己破産は避けたかったとき子さんは、任意整理で真面目にお金を返済することにしました。

自己破産ではなく、任意整理でしっかりと借りたお金を返済しようとする姿勢には心が打たれました。

借金の完済には至っていないようですが、こつこつ返済を続けて完済に向けて一歩ずつ進んで欲しいと思います。