消費者金融からお金を借り続け借金500万円。特定調停と過払い金返還で債務を減らした体験談

ながとしさん(57歳 自営業 男性 佐賀県)からいただいた債務整理体験談です。

20代の頃から消費者金融を利用し続け、45際の頃には借金が500万円になってしまったながとしさん。

経営していた携帯電話ショップが倒産してしまい、支払いが出来なくなってしまったため、特定調停での債務整理をすることになります。

みんなの債務整理体験談メモ

お名前:ながとしさん(仮名)
性別:男性(57歳)
職業:自営業
地域:佐賀県
債務整理方法:特定調停
借金の原因:ギャンブル、生活費など
債務整理時の借金総額:約500万円


意外に簡単で便利な救済制度の特定調停

20代で消費者金融に手を出して、45歳で残った借金は約500万円

“後悔先に立たず”とはよく言ったもので、これまでの自分をいくら反省しても借金は減りません。

一日中返済のことで頭はいっぱい。

もうだめだと思った時に、救ってくれたのは債務整理という国の救済制度でした。

今回は、私が多額の借金に陥った時から債務整理で借金地獄から脱出できるまでの経緯をお話したいと思います。

借金地獄からの脱出。

それは、やる気になれば驚くほど簡単なことだったのです…。

初めてお金を借りた時

私が初めてお金を借りたのは23歳ぐらいの時、今から30年以上前の話です。

当時勤めていた会社の社長に明日の手形が落とせないので、消費者金融から20万円借りてくれるように頼まれたのです。

初めて使った消費者金融は武富士。

当時の金利は確か27%以上。

今よりずいぶん高いですよね。

ですが、借りること自体が目的だったので金利はあまり気になりませんでした。

それよりもびっくりしたのは、20万円という当時の私には大金だったお金を、運転免許証と会社の在籍確認だけであっさり借りれたことでした。

増え続けた借金

簡単に借りれることに味を占めた私は、ちょっと小遣いが足りない時などにも消費者金融からお金を借りるようになっていました。

今から考えたら異常ですよね。

消費者金融のATMが自分のサイフのように思えてきて、気づいた時には、武富士、アイフル、プロミスなどの金融会社5社から借りたお金は300万円を超えていました。

借金返済のための自転車操業

私が30から40歳の頃の給料は手取りで25万円程度、毎月1社2万円返済したとしても5社で10万円。

残ったお金で家賃、光熱費、食費などを支払うわけですから苦しいですよね。

とても多めに返済するなんていう余裕はありませんでした。

それでも、ある金融会社の利用限度額に空き枠ができたらちょこちょこ借りてパチンコをしたり、同僚と飲みに行ったり。

借金依存症なんて、まるで病気みたいな言い方もありますが、ただ我慢できないだけ。

挙句の果ては、A社から借りてB社に返す自転車操業に陥っていました。

消費者金融からお金を借り続け借金500万円
消費者金融からお金を借り続け借金500万円

ついに金銭ショート

その後、45歳まで勤めていた会社が倒産

私は会社が運営していた携帯電話ショップをそのまま引き継ぐことになりました。

独立開業!と聞こえはいいですよね。

それから2年ほどは折からの携帯電話ブームに乗って業績は好調。

窓口に女の子も雇って社長気分を味わっていましたが、そんな甘い話がいつまでも続くはずもなく…。

すぐ近くに大型家電量販店とショッピングモールが次々にオープンして一巻の終わりです。

倒産、収入は0

迫ってくる借金返済日。

死のうか…、いやいやそんな勇気はない。逃げようか、毎日そんなことばかりを考えていましたね。

その時の借金の内訳は以下の通り

    武富士:100万円
    アイフル:50万円
    アコム:50万円
    プロミス:100万円
    三洋信販:200万円

市の弁護士相談センターへ相談

“藁をもすがる”と言えば相手に失礼かも知れませんが、私はそんな思いで、市の弁護士相談センターを訪ねました。

実は自己破産を相談したかったのですが、自営業者の自己破産は手続きが難しいとのこと。

たぶん破産管財人を任命することになるので余計に時間もお金もかかることなど、道のりはかなり厳しそうです。

そんな私に弁護士の先生が教えてくれたのが債務整理。

特定調停でした。

特定調停の簡易裁判所での手続き

≪まず最初にすること≫

特定調停の申し立てをするには、まず最初に地元の簡易裁判所に行って、必要書類をもらうことから始めますが、一番肝心なのは、自分が特定調停を行える条件を満たしているかを確認しておく必要があります。

その条件とは

    1.定職がある。または仕事に就く準備ができている。
    2.特定調停決定後、裁判所が決定した毎月の返済金を継続的に支払えることを数字で証明できる。

主にこの2つですが、つまり債務整理とは、債権者との協議で決定した金額を毎月支払えることが条件というわけです。

ちなみに自己破産はその逆で、どう転んでも全く支払える見込みがない人を対象に適応される制度です。

特定調停の手続きの流れ

これからご説明する手続きの流れは、私が経験したことを元にお話ししますが、申請書類も含め裁判所によって若干違うらしいので、詳しくは直接裁判所の係員にお尋ねください

(1)簡易裁判所に行く

担当窓口で特定調停に関する説明を聞いて、申し立てに必要な書類をもらって帰ります。

(2)自宅で申請書類に必要事項を書き込む

・特定調停申立書に自分の名前や住所、お金を借りている金融機関の名前、住所など必要事項を書き込みます。
・住民票や運転免許証の写し、金融機関の領収書や請求書、直近3ヶ月間の給料明細書などを添付します。

(3)書類提出、費用の支払い

裁判所に指示された書類を窓口に提出。
同時に申し立て手数料(債権者1件につき500円の収入印紙)と手続き費用(債務者、債権者に送る郵便切手)を支払います。

私の場合は債権者が5社(武富士、アイフル、アコム、プロミス、三洋信販)だったので、500円×5社+切手代が必要でしたが、合計で1万円弱だったと記憶しています。

(4)債権者からの請求が一時停止

書類が揃い、特定調停が受理された時点で債権者は取り立て行為を禁止されます。
つまり、暫定的に毎月の支払をストップできるわけですね。(かなり嬉しかったことを覚えています)

(5)調停員の選任

裁判所より専属の調停員が選任されます。今テレビのCMでよくやっている、過払い金の計算や毎月の支払額のアドバイス。
さらに金融会社との交渉を代行してくれる頼もしい存在です。(専任の弁護士さんが無料でついてくれるイメージです)

(6)債権者との調停

裁判所に行くのは特定調停が受理されてから2回。1回目は調停員との相談の日です。
たとえば、私の場合は「過払金計算で500万の借金が280万まで減額できたが、毎月いくらだったら継続的に払えますか?」といった支払い計画についての相談でした。

債権者との交渉

2回目はいよいよ債権者との交渉の日です。

債務者、債権者双方に出頭を求められますが、大手の金融会社は慣れているのか、まず来ないそうです。

私の場合も大手ばかりだったので1社も来ませんでした。

相手が来ない場合は調停員が電話で交渉してくれますが、もめることはあまりないそうです。

私の場合も全て問題なく交渉成立!

この時点で私は長年に渡る借金地獄から解放されたのです。

ちなみに

特定調停前:5社で毎月18万円の支払い
        ↓
特定調停成立後:5社で毎月6万円×48回の支払い

更に過払い金計算で500万円が280万円に減額。※もちろん利息はつきません。

特定調停をやってみて

長年苦しんだ借金でしたが、こんなに簡単なら早くやれば良かったと思いましたね。

それに毎月の返済にしても、今まで払っても払っても減らなかった借金が毎月支払うたびに減っていくわけですから仕事のやる気が違います。

「よし、あと4年だ。がんばろう!」ってね。

特定調停は債務整理の中では短期間にできて費用も安価。

詳しい知識がなくても裁判所の調停員が債務者に代わって債権者と支払金額の交渉をしてくれる便利な制度です。

とにかく思い立った時がチャンス!あなたも悩んでないで裁判所に飛び込んでみてはどうですか?

ながとしさん(57歳 自営業 男性 佐賀県)


ながとしさんの借金内訳と債務整理後の状況

ながとしさんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。

借金内訳

借金総額:500万円
クレジットカード:
消費者金融:
三洋信販:200万円
プロミス:100万円
アコム:50万円
アイフル:50万円
武富士:100万円
借金開始から債務整理着手までの期間:約4年

債務整理後の状況

残債務:280万円
返済計画:(期間)3年11か月(返済)月6万円
債務整理に踏み切った理由:
市の弁護士相談センターに進められて
債務整理をした時期:2008年5月頃

長年続いた借金地獄から開放してくれた特定調停

20代から消費者金融でお金を借りることを覚えたながとしさん。

簡単にお金が借りられるため、消費者金融をお財布のように使ってしまい、あっという間に借金は300万円になり、返済をするためにお金を借りる自転車操業に陥ってしまいます。

携帯ショップを経営していたながとしさんですが、業績が悪化し倒産することに。

支払いが出来なくなってしまったため、債務整理をするために市の弁護士相談センターを訪ねました。

そこで特定調停を勧められたながとしさん。

裁判所での手続きを自力で進めて見事に特定調停を成功させ、借金完済へ向けて前進することが出来ました。

無事に交渉が成立してよかったです。

過払い金の返還も行われたようですし、弁護士に相談をされて大正解でしたね。

長年苦しんだ借金問題が解決したのですから、是非新しい人生を有意義なものにして欲しいと思います。