家庭内暴力が原因で鬱病になり借金200万円。心の病気と向き合う勇気と時間をくれた債務整理

2018年2月13日

オルガさん(29歳 会社員 男性 兵庫県)からいただいた債務整理体験談です。

家庭内暴力から逃げ出すために消費者金融からお金を借りて引越しをしたオルガさん。

引越し後に働き出しますが、重度の鬱病にかかってしまい浪費とアルコール依存症に悩まされます。

消費者金融からの借り入れは続き、借金の総額は200万円になってしまいました。

みんなの債務整理体験談メモ

お名前:オルガさん(仮名)
性別:男性(29歳)
職業:会社員
地域:兵庫県
債務整理方法:自己破産
借金の原因:生活費
債務整理時の借金総額:200万円


借金の自転車操業から生活保護へ

21際のとき、家庭内暴力に耐えかねて家出するように引っ越し。

しかしまとまったお金がなかったため、消費者金融で50万円のお金を借りました。

転職しながら浪費・アルコールに依存する生活に

安定した企業で勤めだしても、不眠症・うつ気分に悩まされ、結果仕事を転々とすることに。

派遣社員として毎月13~15万円の収入で安定するようになりましたが、友人の目が気になって節約をすることが出来ず、浪費を繰り返しました。

沈んだ気分を取り直すために、大量の飲酒を繰り返すようにもなります。

結果として職を失って無収入になることもあり、その間の生活費を工面するために、他の消費者金融・銀行系カードローンからも借りるようになりました。

生活保護の申請と自己破産

勤務先の産業医から「重度のうつ病」と診断される頃には、アコム・プロミス・バンクイック・三井住友銀行カードローンでそれぞれ50万円、合計200万円の借金。

利息のみで3万円以上、約定返済額を合計すると6万円に及びます。

医師の勧めで生活保護申請に踏み切り、その際に債務額を告げたところ「自己破産を」と勧められました。

生活保護を申請すると、弁護士・司法書士への費用は法テラスによる立て替え制度が利用できるそうです。

そのうえ、社会復帰するまでは返済を猶予・あるいは免除してくれるとのことでした。

家庭内暴力が原因で鬱病になり借金200万円

ネットで情報を調べて法律事務所に

最初にあたったのは、「法テラス 司法書士 地域名」で検索をして最初に出てきたサイト。

ヤミ金問題などにも自信のある司法書士とのことで、期待を膨らませて相談にいきました。

しかし「社会復帰するつもりであれば、一年間は予納金として30万円を納め続けてほしい。その後の状況次第で自己破産に」と問題を先送りするような発言があったため、不安になって別の弁護士事務所へ相談。

生活保護を申請したこと・借金総額を告げたところ、早急に自己破産をしようと提案してくれました。

自己破産をするまでに自分がしたこと

家財道具を差し押さえられるのではないかとの不安があったのですが、「20万円以下の価値のもの・現金99万円までは自分でもっておける」とお聞きし、結果として取り上げられるものはありませんでした。

申立までの3か月間、弁護士の指示で家計収支表をつけることに。

この時冷静に自分の生活を見直すことが出来、贅沢への執着もなくなりました。

なにより、返済の義務がその間なくなったこと・生活保護のおかげで贅沢ではないけれども落ち着いた生活を送れるようになったことが、気持ちの安定につながりました。

最終的に弁護士に提出したのは、銀行の通帳・家計収支表・毎月の光熱費のレシート・賃貸契約書・医師の診断書の5つです。

自己破産が認められて借金が0円に

申立てをしたのち、2か月後の裁判所出頭で「同時廃止」が決定。

私の手持ちの財産にめぼしいものがないため、債務を免除するまでの手続きを省略するという内容でした。

その2週間後、免責決定通知が自宅に郵送されてきました。

これで、正式に借金総額が0円になったとのことでした。

自己破産後の生活

その後生活保護を受けながら障碍者手帳を取得、デイケアやセラピーで浪費癖・アルコール依存などとしっかりと向き合い、短時間労働から社会復帰を目指すことになりました。

免責決定通知までは「借金がずっと残るなら、資格を取ったり安定した仕事を見つける余裕もなく、その日暮らしでずっと生きていかなければ」という不安でいっぱいでしたが、前向きな気持ちで色々なことに取り組めるようになりました。

自己破産をして感じたメリット・デメリット

破産者はその後の生活に困るという噂を聞きましたが、クレジットカードを持てない・ローンを組めないくらいで、生活面への悪影響は他にはありません。

カード決済はデビットカードで、高価なものはお金が貯まった時に一括で購入するようになりました。

現代では必須アイテムとなったスマートフォンも一括でしか買えなくなりましたが、下取りサービス・月々支払う額からの割引などを活用して、かえってお得に使えています。

主治医によると、「うつ病の人が病気に気づかず、生活費目的で借金を繰り返すケースはとても多い」とのことです。

金銭管理に注意し、自分の心の病気と真正面から向き合うことが出来たのが、今回の一番大きな収穫でした。

オルガさん(29歳 会社員 男性 兵庫県)


オルガさんの借金内訳と債務整理後の状況

オルガさんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。

借金内訳

借金総額:200万円
消費者金融:
アコム:50万円
プロミス:50万円
バンクイック:50万円
三井住友銀行カードローン:50万円
借金開始から債務整理着手までの期間:約6年

債務整理後の状況

残債務:0円
返済計画:自己破産により免責
債務整理に踏み切った理由:
就労不能になり、生活保護申請がきっかけ
債務整理をした時期:2016年7月頃

アルコール依存症と鬱病に向き合う勇気と時間をくれた債務整理

家庭内暴力から逃げ出すために、消費者金融から借金をして引越しをしたオルガさん。

引越し後に就職はしたものの、重度の鬱病とアルコール依存症、更に浪費を繰り返してしまい借金の額が膨らんでいきます。

最終的に借金の総額は200万円に。

働くことも困難になってしまったオルガさんは、生活保護の申請をすることにしました。

その時に自己破産を勧められたオルガさんは、ネットで情報を調べて法律事務所に向かいます。

一番最初の法律事務所は相性が悪かったようですが、次の法律事務所では無事に自己破産の手続きをしてもらうことが出来ました。

その後、無事に自己破産の申請も通り、現在は社会復帰に向けてリハビリを行っているということです。

様々な家庭環境がある中、オルガさんはとても辛い経験をされていました。

何とか逃げ出したものの、家庭内暴力の傷跡は消えず、鬱病とアルコール依存症にかかってしまいっています。

オルガさんも文中に書いていましたが、鬱病の人は正常な判断が難しく、浪費やアルコール依存症になりやすい傾向があります。

今現在借金に苦しんでいる方の中にも、自分が気付いていないだけで心の病気にかかっているという方もいらっしゃるでしょう。

まずは借金の相談を行い、借金の不安が無くなってから心療内科などに通うことで、心のしがらみが無くなる可能性もあります。

とにかく一人で悩まないことが重要です。

借金で悩んでいるのであれば法律事務所に、心の病で悩んでいるのであれば心療内科に1日でも早く相談に行って欲しいと思います。