高額な住宅ローンとカードローンで借金8700万円。人生をやり直すきっかけを与えてくれた自己破産

佐藤さん(43歳 会社員 男性 東京都)からいただいた債務整理体験談です。

会社の業績が良い時にタワーマンションの一室を購入するために6500万円の高額な住宅ローンを組んだ佐藤さん。

しかし、リーマンショックが原因で株価が大幅に下落し、会社の業績も悪くなってしまいます。

連日の上司の罵倒とノルマのプレッシャーが原因で鬱病になってしまった佐藤さん。

会社を退職することになってしまい、高額な住宅ローン6500万円が重くのしかかることになります。

みんなの債務整理体験談メモ

お名前:佐藤淳さん(仮名)
性別:男性(43歳)
職業:会社員
地域:東京都
債務整理方法:自己破産
借金の原因:過剰な住宅ローン
債務整理時の借金総額:8700万円


鬱病が原因で無職になってしまい自己破産に

私は2007年に6500万円の住宅ローンを借りて、東京都内に新築分譲マンションを購入しました。

当時は勤務先の会社の業績が良く、私の年収は1000万円に達していました。

ですから多額の借金とは思いつつ、思い切って東京都内のタワーマンションの部屋を購入したのです。

リーマンショックが原因で株価が大幅に下落

ところが翌年の2008年の後半から、景気が悪化し始めました。

私は証券会社で個人投資家向け営業を担当していたのですが、私が担当していた顧客が株式を買ってくれなくなったのです。

日経平均株価も2007年に株価が天井をつけてから、少しずつ下落し続けていました。

そして決定的だったのが2008年秋に発生したリーマンショックでした。

株式市場は壊滅的な打撃を受けました。

上司の罵倒とノルマのプレッシャー

私の顧客は日経平均が8000円台をつけた底値圏で、次々と保有株式を投げ売りしてしまいました。

顧客の金融資産は大きく傷ついただけでなく、私の証券会社の業績も大打撃を受け、大幅な赤字決算となったのです。

2009年に入って株式市場は底打ちの気配を見せたものの、個人投資家は株式を買ってはくれません。

ところが私たち営業マンには毎月ノルマが課せられていますから、ノルマを達成できないと支店長や課長から毎日罵声を浴びせられます。

そして、ノルマを達成するまでは会社に帰ってくるなと言われ、深夜の23時頃にお客様の自宅を訪問して「こんな時間に来るな!」と怒鳴られたことも何度かありました。

ストレスが原因で鬱病を発症

このような生活が1年以上続いた頃、私は体調不良に陥ってしまいました。

証券マンは朝が早く午前5時台には起床して、6時30分頃には出社するのですが、目覚まし時計が鳴っても頭が重くて起きれなくなったのです。

そして次第に、妻に電話をしてもらって会社を欠勤することが多くなりました。

業績が赤字決算の証券会社では、体調不良で働けない営業マンなど無用の長物です。

私は頑張って出社した日に支店長から呼ばれ、1時間面談しました。

そして、私のほうから「神経内科で診てもらったところ、うつ病になってしまったようです」と正直に話しました。

すると支店長は「働けないなら辞めてくれないか」と単刀直入に退職勧告してきたのです。

いまなら「それは規則違反です」などと言って抵抗できたと思うのですが、当時の私は精神を病んでいましたから、言われるがまま辞表を提出してしまいました。

重くのしかかる住宅ローン

会社を退職してからは、あっという間に生活が苦しくなりました。

住宅ローンの返済が毎月約21万5000円もあったのです。

年間で約260万円もの返済です。

無職となってしまった私にとって、とんでもない借金返済生活となってしまったのです。

住宅ローンの支払いをするためにカードローンで借金

この住宅ローン返済の重みが、さらに私のうつ病を深刻化させました。

通院している神経内科からは、パキシルなどの薬を処方されていましたが、なかなか症状が改善しませんでした。

神経内科に通院する以外は、自宅に引きこもる毎日が始まりました。

しかし、借金返済の期日は容赦なく毎月やってきます。

貯金がどんどん減っていき、追い詰められたとき、私は銀行のカードローンで借金することを思い立ちました。

証券会社に勤務しているときに、付き合いで多くの銀行に口座を開設し、カードローンの口座も開設していたのです。

そこで住宅ローンの引き落としの数日前になると、毎月20万円から30万円を借りるようになっていきました。

それで経済的に解決するとは思いませんでしたし、身の丈に合った生活はできていないと思っていたのですが、マンションを手放したくはなかったのです。

高額な住宅ローンとカードローンで借金8700万円

借金の総額が大きくなり法律事務所に相談

しかし、カードローンの借金が合計で700万円に達したときに妻に気づかれてしまい、妻の判断で、弁護士に相談することに決めたのです。

妻は、このままでは何もかも全てを失ってしまうと危機感を抱いたようでした。

そして妻がインターネットで法律事務所を探し、アディーレ法律事務所の新宿支店に相談することにしました。

アディーレ法律事務所には私と妻の2人で出向き、現在は無職で東京スター銀行から借りている住宅ローンの残債が約8000万円残っていることと、三井住友銀行のカードローンの残債が300万円、みずほ銀行のカードローンの残債が400万円残っていることを伝え、どうすればいいのか相談しました。

すぐに働くことが出来ないため自己破産をすることに

事務所のなかは厳粛な雰囲気が漂っていて、難しそうな分厚い法律書が何冊も本棚に並べられており、弁護士の方も親しく会話をできる雰囲気を持っていませんでした。

ですからかなり緊張しながら、私と妻が代わるがわる説明をしました。

弁護士からは「すぐに就労することが不可能であれば自己破産を申し立てて、全てを手放すしか方法はありませんね」と言われてしまいました。

私と妻は、結局すべてを手放すことになるのかと顔を見合わせてガッカリしてしまいました。

私は、無職のくせに住宅ローンを返済するために、カードローンの借金をして無理して返済を続行させてしまったことを後悔しました。

先々のことを考えて、お金の計算ができなかったことを深く反省しています。

甘かったのです。

自己破産の手続きを弁護士に依頼

自己破産の申し立てをすることが決まると、弁護士に委任状を提出しました。

そして弁護士と契約書を交わして、自己破産手続きをお願いすることになったのです。

そして裁判所への陳述書を弁護士に書いてもらい、自分の全資産と全借金を弁護士に伝えて書面に記載してもらいました。

そのうえで裁判所に自己破産の申し立てを行い、約3ヶ月後に認められました。

自己破産が再びやり直すきっかけに

自己破産が認められて、私は当面の3ヶ月間の生活費をのぞく全資産を失いましたが、借金もすべてなくなりました。

当初はがっかりしてしまいましたが、再びやり直しができると思うと、気持ちが楽になりました。

結局私の借金生活は約4年間でした。

債務整理をおこなううえでのポイントは、債務整理に慣れている弁護士に依頼することだと思います。

プロにすべてを委託するのがいちばんです。

佐藤さん(43歳 会社員 男性 東京都)


佐藤さんの借金内訳と債務整理後の状況

佐藤さんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。

借金内訳

借金総額:8700万円
住宅ローン:
東京スター銀行:8000万円
カードローン:
みずほ銀行:400万円
三井住友銀行:300万円
借金開始から債務整理着手までの期間:約4年

債務整理後の状況

残債務:自己破産による免責のため無し
返済計画:自己破産による免責のため無し
債務整理に踏み切った理由:
カードローンの明細を見た妻が、このままでは全てを失ってしまうと危機感を抱いたため
債務整理をした時期:2011年5月頃

もう一度やり直すきっかけを与えてくれた債務整理

証券会社勤めで年収1000万円を超える高給取りだった佐藤さん。

都内のタワーマンションの一室を6500万円の住宅ローンを組んで購入しました。

しかし、リーマンショックが原因で株価が大幅に下落し、会社の業績が悪くなってしまいます。

ノルマを達成できない日々が続き、上司からの罵倒を受ける日々が続いた結果、ストレスから鬱病を発症してしまいました。

結果、仕事を退職せざるを得なくなり、収入が無くなってしまいます。

しかし、住宅ローンの返済は残っているため、月々の返済をするためにカードローンで借金をするように。

毎月20~30万の借り入れをしていたため、カードローンでの借金の総額はあっという間に700万円になってしまいます。

このままでは全てを失うと考えた佐藤さんの奥さんの進めで法律事務所に債務整理の相談へ。

佐藤さんは無職だったため、返済の目処がたたず自己破産を勧められることになってしまいます。

結果として何もかもを失うことになってしまった佐藤さんですが、自己破産をきっかけにもう一度人生をやり直す気持ちが湧いてきたようです。

その後の鬱病の具合は如何でしょうか?

生活をレベルを一度でも上げてしまうと、もう一度生活レベルを下げるということが難しくなります。

今回自己破産という形で嫌でも生活レベル下げることになったのがよかったのだと思います。

一度全てを失うという経験が、佐藤さんには一番の薬になったのかもしれませんね。