事業の収益化に失敗してしまい借金650万円。まともな生活も出来なくなり個人再生

2020年7月7日

とりるさんは事業を始める際に、金融機関から500万円ほどの資金を借りました。

事業開始後1年ほどは全く軌道に乗らず、収入もほとんどない状況に。

当初借りた500万円は低利ながらも返済が滞ってしまったこともあり、いつの間にか借入金以上の650万円に膨らんでいました。

担当の銀行員からは返済してもらわないと法的処置に移る必要があるとも言われ、とりるさんは追い詰められてしまいます。

みんなの債務整理体験談メモ

お名前:とりるさん(仮名)
性別:女性(36歳)
職業:自営業
地域:大阪府
債務整理方法:個人再生
借金の原因:事業の運転資金と生活費
債務整理時の借金総額:650万円

債務整理体験談
新規事業の収益化に失敗してしまい借金650万円。

事業を始めるために銀行から借金をしましたが…

今から5年ほど前になりますが、当時勤めていた会社を退職しフリーランスで新たに自分の事業を始めようとしたところ、想定していた以上の準備資金が必要である事を知り、そのときに初めて金融機関からまとまった資金を借りたことがありました。

その額はおよそ500万円ほど。

借り受けたお金を使って、事業に必要な資材や機材、事務所として使う予定だった賃貸マンションの賃料と保証金などを全て支払ったのですが、その後1年ほどは全く事業が軌道に乗らず、収入もほとんどない状況で過ごす毎日でした。

当然ながら、事業に必要な資金に優先的にお金を入れていたので、自分の身の回りの生活に必要なお金はほとんどかけない状態でしたし、一日何も食べないで過ごす日も目立つようになっていました。

そんな中、独立してから1年半ほど経過した頃だったのですが、少しずつお金を支出して様々な資金に使っていた貯金もとうとう底をついてしまい、自分の身の回りからは捻出できない状況に。

当然ですが、既に実家などお金を借りられるところからは限度いっぱいまで借りてしまっていたので、とにかく自分でなんとかしなくてはいけなくなりました。

その頃になると、食事はもちろんですが月によっては電気が止まってしまうこともあったんです。

本当に、今振り返っても二度と経験したくない辛い状況でした。

借入金が膨らみ銀行員からも督促され追い詰められていました

おまけに、当初借りた500万円は低利ながらも返済が滞ってしまったこともあり、いつの間にか借入金以上の額に膨らんでいました。

担当だった銀行員の方からも頻繁に「期限までにきっちり返済してください。」など催促されてましたし、返済が滞ってからは「身の回りの品を処分してでも返済していただかないと、法的処置に移る必要があります」など、聞いていて思わず頭が痛くなってしまうような発言もありました。

ある意味、一番追い詰められていた時期かもしれません。

そんな時、友人から教えてもらったのが債務整理という法的手段でした。

弁護士に相談し個人再生をすることに

債務整理をすると、今抱えている借金を減額したり無理のない形で返済していけるという事を教えてもらい、自分でもいろいろと調べた結果、個人再生という方法なら、今の自分の状況にぴったりという事を知りました。

ただ、もちろんですが法的知識は全くありません。

書籍によっては自分でもできると書いていますが、読んでいても書類の作成や手続きの仕方が複雑すぎて、この段階で断念してしまいそうになったくらい。

ただ、幸いだったのですが私の遠い親族に当たる人に弁護士をしている方がいて、両親から連絡を取ってもらいその方に相談することができたんです。

その方によると、「現在背負っている借金については個人再生という手段をとることで、リスクが大きい自己破産のような手段を選ぶ必要はありません。」とのこと。

正直、自己破産という手段は後々の事業に関するリスクを考えると、私自身も選びたくなかった手段だったので、弁護士から教えてもらった個人再生がやっぱり一番適していると、その瞬間に実践することを決意しました。

結局、弁護士を通じて個人再生を裁判所のほうに行いました。

自分の状況に合っていた個人再生

当初、私が支払うことができなかった借金の総額は650万円ほど。

はじめに借りた500万円の元本とその利子に加えて、1年半の間に利用したクレジットカード3枚分のキャッシング残高を含めた額を合わせると、650万円という大金になっていました。

個人再生の場合、弁護士の方に教えてもらったのが「すべてを払わなくても良いが、支払える意思があることを明確にするためにもある程度の支払いはしなくてはいけません」という点。

もちろん、私自身も払えるのならきちんと支払いたかったので、この点については一切文句はありませんでした。

結局、手続きを通じて決定されたのが150万円については完済することという条件。

おまけに幸運だったのが、個人再生では自分が既に所有している財産については処分する必要が無かったので、事業に必要な資材を手放す必要が無かったところ。

もちろん、お金を返すために、不要な身の回りの価値がある品物を買い取ってもらったりしましたが、必需品を手放さなくても良かった点には本当に助かりました。

それに、心配していたのが裁判所への訪問や弁護士事務所がどんな所なのか?という点だったのですが、裁判所への手続きはすべて弁護士に代理してもらうことができたので、1回だけ手続きで赴くだけで良かったです。

弁護士事務所といっても普通の会社の事務所と全く雰囲気は変わらなかったので、最初にあれほど緊張した状態で赴いたのが恥ずかしく感じたほど、入りやすい雰囲気でホッとしました。

できるだけ借金はしないよう考え方を改めることが出来ました

それから1年ほどですが、指定されていた分の額はすべて返済し、同時に事業についても漸く薄利ながらも軌道に乗り始めてくれたので、生活を元通りの状態にすることができました。

今振り返っても、あのときに弁護士の方に相談できたこと、友人から個人再生という手段があると教えてもらったこと、いろいろな歯車がきっちりとかみ合ってくれたおかげで、今の私がいると実感しています。

以後はできるだけ借金を利用しなくても良いように、自分の生活リズムや事業に対する考え方を改めました。

特に注意したのが、必要以上の出費をしないこと。

事業に最低限必要な分だけ出費した上で、できるだけ利益は貯蓄に回して万が一の際の資金に充てることなど、様々な部分で注意しました。

そのおかげもあってか、今ではなんとか上手く生活することができています。

とりるさん(36歳 女性 自営業 大阪府)


とりるさんの借金内訳と債務整理後の状況

とりるさんの借金の内訳と債務整理を行ったことでどのように状況が好転したかを見てみましょう。

借金内訳

借金総額:650万円
クレジットカード:
三井住友VISA:50万円
AMEX:30万円
クレディセゾン:20万円
銀行ローン:
三菱東京UFJ銀行:550万円
借金開始から債務整理着手までの期間:2年半

債務整理後の状況

残債務:150万円
返済計画:(期間)1年(返済)月5万円 利息カット(15%から0%)
債務整理に踏み切った理由:
生活にまで借金の存在が影響しはじめ、様々な努力も空しく元本自体が徐々に増えすぎてしまい立ちゆかなくなった為
債務整理をした時期:2014年5月から

個人再生で取り戻すことができたまともな生活

会社を退職しフリーランスで新たに自分の事業を始めようとしたとりるさん。

事業に必要な資材や機材、事務所として使う予定だった賃貸マンションの賃料や保証金などを銀行から借り入れた500万円を使って支払いました。

しかし、始めた事業はなかなか軌道に乗ることがなく、殆ど収入が無い状態が1年以上続いてしまいます。

生活費を切り詰めながら何とか返済を続けていましたが、次第に返済も苦しくなっていきます。

返済が滞るにつれ銀行からの返済の督促が厳しくなっていき、精神的に追い詰められてしまったとりるさん。

その時の借金は650万円にまで膨れ上がっていました。

そんな時、友人から教えてもらった対策が債務整理。

運がいいことに親戚の繋がりで弁護士が見つかったので、その弁護士に依頼をすることに。

その方が進める個人再生という方法で債務整理をすることに決めます。

心配していた裁判所での手続きや弁護士事務所の対応なども問題なく、思っていた以上に簡単に債務整理をすることができたようです。

自己破産という手段もありましたが、出来る限り真面目に返済をする個人再生を選んだとりるさん。

約6年前のことですので、既に支払いは終わっているでしょう。

今では事業も継続できており、まともな生活を取り戻すことができたようで本当に良かったと思います。